スキャンダルからの回復の切り札か?フォルクスワーゲンが航続距離400kmの新型電気自動車を今秋発表
ディーゼルエンジンの環境性能に関するデータ改ざんを行っていたというスキャンダルがあったフォルクスワーゲン。スキャンダルの影響は大きく、業績を悪化させています。
同社はこのスキャンダルからの回復プランの柱として、電気自動車を育てていくとしていましたが、今秋行われるパリモーターショーで、航続距離が248マイル(約400km)の電気自動車を展示すると発表しました。
フォルクスワーゲンのブランドチーフがドイツの自動車雑誌に語ったところによると、
発表される電気自動車は、フォルクスワーゲンゴルフのサイズとほぼ同等ですが、荷室のサイズはパサート並みということです。
コンパクトカーであるゴルフのサイズでありながら、中型セダンのパサート並みの荷室の広さをもつクルマということですね。
それに加えて、この電気自動車の特徴は、航続距離が400キロから600キロと長いことです。
日本で販売されている三菱自動車のI-Mievが1回の充電で走行できる後続距離は180km、日産のリーフが228kmです。そして、フォルクスワーゲンが発売する電気自動車eゴルフの2017年モデルが180マイル(約290km)ということですので、この航続距離がいかに長いかおわかりかと思います。
パリモーターショーで発表される新型電気自動車はプロトタイプということですが、同社のブランドチーフによると、量産の計画をしており、2018年から2019年には市販化を目指しているとのことです。
また、フォルクスワーゲンは、航続距離を左右するバッテリーを多く搭載できる電気自動車用のプラットフォームを開発中で、このため、同社が販売する電気自動車は長い航続距離を達成できるクルマになるとしています。
このように、フォルクスワーゲンは電気自動車の開発、販売に注力しています。同社の2025年までの経営計画では、この年までに30車種以上の電気自動車を発売し、また電気自動車は毎年200万台から300万台販売し、総販売台数の25%を占めるだろうと予測しています。
それを実現する方法のひとつとして、現在、巨大なバッテリー工場を建設中です。
電気自動車の普及がすすまない理由に航続距離の短さがありますが、1回の充電で400kmも走るのであれば、普及がすすむのではないでしょうか。今後10年くらいに急速に電気自動車の普及はすすみそうですね。
出典:http://www.motortrend.com/news/vw-debut-300-mile-ev-paris-motor-show/