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2016-09-21

タカタのエアバッグに問題があることは90年代にすでに認識されていた

タカタ製のエアバッグに不具合があり、死亡事故も発生した状況の中、ホンダ、日産、マツダといった自動車メーカーはリコールを行っています。

最近のリコールの原因となっていることが多いエアバッグ
最近のリコールの原因となっていることが多いエアバッグ
出典 : www.pbs.org

最近、タカタのエアバッグには安全性に懸念があることは、20年前には一部の自動車メーカーが認識していたにもかかわらず採用されてきた。ということが報道されています。
出典:http://www.nytimes.com/2016/08/27/business/takata-airbag-recall-crisis.html?_r=2

それによると、

1990年代の終わりに、アメリカの自動車メーカー、ゼネラルモーターズ(GM)は、タカタから同社のエアバッグを採用しないか。という提案を受けました。

従来のエアバッグよりも、非常に安価に提供できるというオファーでした。

当時、GMはスウェーデンの自動車部品メーカーAutolivからエアバッグの納入を受けており、GMはタカタの提案を受けてAutolivに、もう少しコストを安く、そしてよりリスクの少ないエアバッグを納入してほしいと依頼したとのことです。

ところが、当時のAutolivの担当者によると、GMの依頼を受けてAutoliv社でタカタのエアバッグを研究したところ、エアバッグの膨張をつかさどる空気注入器(インフレーター)には、安定性にかける技術が使われていたことを発見していたとのことです。

当時のGMはAutoliv社に依頼したとき「タカタは従来のエアバッグよりも30%もコストダウンしている。もしもこれ以上安くエアバッグを納入できないなら、今後はAutolivのエアバッグを採用せず、タカタのエアバッグを採用する」と述べたとのことです。

研究の結果、Autoliv社は、タカタの技術を採用することはできずコストダウンもできない。とGMに伝えました。

結局、これをうけてGMはタカタのエアバッグを採用しています。

現在、この空気注入器の不具合が原因で、タカタ製のエアバッグを原因として、これまで14名が死亡しており、100名以上がけがをしています。そして、安全面を原因としたリコールでは、自動車史上もっとも多いリコールの発生原因となっています。

そしてタカタ製エアバッグを搭載した自動車はアメリカ市場だけで1億台以上、採用したメーカーはGMをはじめ16社に上ります。

GMがタカタのエアバッグ技術の安全性について、Autoliv社の指摘を受けていたということを、今回Autoliv社の元エンジニアや研究者が指摘したのですが、これについて、GMやその他自動車メーカー、そしてAutoliv社もコメントはしていません。

タカタのエアバッグの問題の原因は、アンモニアガスを使って膨張させるということなのですが、この危険性についてはAutoliv社だけでなく、タカタ社内でもエンジニアが指摘していたり、タカタに納入する化学メーカーも指摘していました。

今から20年前に行われたGMの経営判断は、ひとつあたりわずか数ドルのコストダウンを追求したことが、何名もの死亡事故を発生させてしまい、そして、自動車メーカーのコストダウン競争は非常に厳しく、時に悲劇を招く要因となるということを示唆しています。

安全にかかわることですので、しっかりとしたものを市場に供給してほしいものですね。

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