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2016-10-20

フォルクスワーゲンの排ガス不正問題を受けた、欧州自動車メーカーの最近のトレンドはエンジンの大型化回帰

2015年9月に発覚したフォルクスワーゲンの排ガス不正問題。発覚してから1年が経過しました。

最近ではあまり話題になっていませんが、そもそもこの問題は何で、どのような背景があり、そして、この問題を受けて最近のヨーロッパの自動車メーカーがどのようなクルマを作っているかの傾向についてご紹介します。

発覚当初は大ニュースになりましたが、最近はそうでもないですね。

フォルクスワーゲンの排ガス不正問題とは

2015年9月に、アメリカ合衆国環境保護庁はフォルクスワーゲンのディーゼルエンジン搭載車の一部で、排ガス検査をくぐり抜けるための不正なソフトウェアが搭載されている事を公表しました。

アメリカでは日本やEU同様、州によってはそれ以上に厳しい排ガス規制がありますが、フォルクスワーゲンのディーゼルエンジン搭載車の一部に、検査の時のみ行われる操作を検知すると、その時だけ排ガス浄化装置を正常に作動させるソフトウェアを制御装置に組み込んでいたという問題です。

この背景には、自動車業界の熾烈な競争があると指摘されています。

フォルクスワーゲンは、販売台数を急激に伸ばして、世界一の座をトヨタと争ってきましたが、環境規制の厳しいアメリカでは、ハイブリッドカーを擁するトヨタの後塵をはいしてきました。

そこで打ち出したのがディーゼルエンジンはクリーンだとして、ディーゼル車を販売の中心にすえ、さらに、エンジンの小型化、軽量化をすすめて、燃費、価格を引き下げる生産戦略をとってきました。

エンジンは小さくすればするほど、周辺部品も含めて軽量化でき、車両価格を下げることができますし、車体重量を小さくできれば、それだけ燃費も良くなります。

日本も同様ですが、厳しい環境基準のなかで、経済性を追求することでよく売れるクルマということになり、フォルクスワーゲンも追求してきましたが、その限界にぶつかってしまった結果、ソフトウェアの不正につながったのではないか。と指摘する人がいます。

欧州車はエンジンの大型化に回帰

VWのエンジン
VWのエンジン

排気ガスによる環境破壊がひどくなることを受けて、アメリカやヨーロッパをはじめ、排ガス規制を強化しているのは世界的な傾向です。

こうした規制もあり、ヨーロッパの自動車メーカーは電気自動車の開発に注力していますが、電気自動車が広く普及する。という状況になるにはしばらく時間がかかります。

そこで、フォルクスワーゲンの排ガス不正問題を受けて、ヨーロッパ自動車メーカーが直近で売り出していくクルマはエンジンの大型化が進んでいます。

GMは、1.2リッターのターボディーゼルエンジンが主力だったのですが1.6リッターのエンジンに、フォルクスワーゲンは1.4リッターの3気筒のターボディーゼルエンジンだったのが1.6リッターのエンジンに、それぞれ主力となるエンジンになっていっています。

小さなエンジンで、重量が重いクルマを走行させると、オーバーヒートを防ぐために、余分な燃料をエンジン内に噴出し、それが多くの炭化水素や一酸化炭素、その他の排気ガス成分を発生させてしまうのです。

欧州の各自動車メーカーは厳しくなる環境規制下での経済性の追求というテーマに対して技術的な壁にぶつかってしまい、ここ数年のエンジンの小型化トレンドから大型化に回帰しています。

エンジンの大型化は車体重量の増加、ひいては部品の増加に伴う車両の高価格化や燃費の悪化につながりますが、環境規制をクリアするためには仕方がない。というところのようです。

こうしてみると、電気自動車が本格的に普及するまでは、環境技術のすすんだ日本車の優位性はつづきそうですね。

出典:http://www.roadandtrack.com/new-cars/car-technology/news/a31163/europe-car-emissions-gas-diesel-bigger-engines/

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