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2016-11-28

普及し始めたカーシェアリング。世界全体の現状と将来性

地方ですと自動車は普段の足としてなくてはならないものですが、都会に住んでいると必ずしもそうではありません。

電車や地下鉄、バスといった公共交通機関が発達していますし、何といっても都会は駐車場料金が非常に高いです。

自動車は乗らなくても持っているだけでも駐車場代、税金、保険料といった維持費が非常にかかります。都会に引っ越したことをきっかけにクルマを手放したという人は少なくないでしょう。

クルマは持っているだけで維持費が高い
クルマは持っているだけで維持費が高い
出典 : clubmini.jp

とはいえ、ちょっとした移動にクルマがあると便利なことも事実ですし、車を運転するという楽しみがなくなることも悲しい。

普段はクルマは持っていないが、車を乗る必要があるときは、レンタカーを借りる。という方も多いと思いますが、レンタカーですと、営業所までいかなければなりませんし、借りる度に契約書類を書かなくてはならない。といったことが面倒に感じることがあります。

そこで、レンタカーよりもさらにクルマを気軽に借りられるサービスとして登場してきたのがカーシェアリングで、家の近所の駐車場に留まっているクルマを、近所に住む人が共有して好きな時に予約して使うというサービスです。

会員に登録し、近所の駐車場にある使用可能なクルマをネットやスマホで探して見つかれば予約して使うという使い方になります。

ネットやスマートフォンが発達したことで可能になったサービスの一つと言えるでしょう。

日本では、駐車場運営大手のパーク24が運営しているタイムズプラス、オリックス自動車が運営しているオリックスカーシェア、三井物産の関連会社が運営しているカレコといった業者が運営しています。

カーシェアリングのメリットは❓

メリット1.短時間でも借りられる。

最短で利用時間が10分から借りられるサービスを提供している会社があります。また、予約は2週間や3週間前からできるのに対し、キャンセルは予約時間の1分前でもペナルティがないといった利便性もあります。

無駄な時間の分のレンタル料金を支払わなくていいというのがうれしいですね。

メリット2. 面倒な契約書類を都度記入しなくてよい

一度会員登録をしておけば、レンタカーのように、借りる度に書類を書く必要がありません。手間から解放されます。

メリット3. 料金はわかりやすく、リーズナブル

時間や走行距離に応じて料金は課金されます。保険も料金に含まれています。

従来のレンタカーのように営業所がないことから、固定費が削減できていることもあり、レンタカーよりも金額的にお得に借りられることが多いようです。

レンタカーですと、ボディタイプによって値段が違うことが多いですが、カーシェアリングですと、全ボディタイプで料金が同じというサービスもあります。

また、ガソリンを満タンにして返却する。という必要もありません。

メリット4.いろいろな車種に気軽に乗れる

これはレンタカーも同じですが、扱っている車種の種類がカーシェアリングのほうが幅広いです。

レンタカー会社よりも、あちこちにある駐車場のほうが駐車スペースが多いからです。ただし、人気の車種はすぐに予約が入るのでなかなか乗れないという傾向はあるようです。

デメリットとしては、レンタカーのように業者がクルマの管理をしていませんので、前の人が乗った後でごみが散らかっているというようなクルマもあるようです。

忘れ物をしたときの不安もレンタカーより高いですね。

カーシェアリングの世界での普及状況

日本でも利用する人は増えてきていますが、カーシェアリングは世界的にはどの程度普及しているのでしょうか❓

カーシェアリングの世界での普及状況
カーシェアリングの世界での普及状況

2014年のデータで、カーシェアリングサービスは、世界33か国に運営する事業者がおり、会員数は世界全体で約480万人、カーシェアリングに利用されている自動車の台数は全世界で約10万4千台です。

地域別にはヨーロッパ、そして北米での利用者数が多く、アジア地域は世界全体で3番目となっています。

2015年では、世界全体のカーシェアリング業者の売り上げ全体は11億ドル(約1100億円)となっています。

大陸別のカーシェアリングサービスの普及状況(2014)
大陸別のカーシェアリングサービスの普及状況(2014)

欧米が日本にカーシェアリングで先行しているのは、事業体力のある大手自動車メーカーが運営しているからです。

欧州ではメルセデスベンツのダイムラー社や、BMW、そしてアメリカではゼネラルモーターズが事業のひとつとして運営しているからです。

BMWは、自社を自動車メーカーから移動手段を提供する会社のNo1になることを目標として、次のようにコメントしています。

「自動車産業は、クルマ作りで稼ぐ時代からサービスやソフトウェアで稼ぐ時代に移行しつつある」

BMWのカーシェアリングサービス Drive Now

欧米の自動車メーカーがカーシェアリングサービスに注力している背景は、クルマを作って売るというビジネスの成長性に限界を感じてきているからです。

日本でも若者のクルマ離れが言われて久しいですが、これは日本だけでなく、ヨーロッパでも同様です。ロンドンやローマといったヨーロッパの大都市への人口集中傾向はますます加速しており、それにともなって都会でクルマを持つことが難しくなってきています。特に駐車場の不足は非常に問題になっています。

また、自動運転が普及すると、クルマを所有する人の割合は現在よりも40%低下するだろうとも予測されています。

自動運転車が普及すると、クルマに乗りたい人はスマホでクルマを呼び出すと、その場に自動運転車がやってきて乗せてくれ、利用が終わったら、その自動運転車は次の利用客のもとに自動で向かっていく。というような利用形態に変わっていくと予測されているからです。

現在のカーシェアリングでは借りたクルマに乗るために駐車場に行く必要がありますが、その必要さえなくなるのです。

こうしたことに危機感を持った欧米の自動車企業は、自動車を作って売るというビジネスモデルからの変換を少しづつ進めているというのが現状です。

日本勢では、トヨタがアメリカでカーシェアリングサービスに参入すると発表していますし、日産はフランスのパリで開始すると発表しています。

カーシェアリングビジネスの将来の規模は❓

いろいろな予測がありますが、2024年までに、カーシェアリングを利用する人は現在の480万人から2340万人に、市場規模は現在の11億ドルから65億ドルに拡大するだろうという予測があります。

特に、アメリカやヨーロッパに比べてまだ普及が遅れているアジアが今後急成長するだろうと見られています。

日本でも欧米のように自動車メーカーがカーシェアリングサービスに本格的に参入したら、一気にこのサービスが普及するかもしれませんね。

出典:http://asia.nikkei.com/Business/Companies/Car-sharing-services-reshaping-the-mobility-landscape?page=1、http://www.shareable.net/blog/new-research-confirms-carsharings-rapid-worldwide-growth、https://www.navigantresearch.com/newsroom/global-carsharing-services-revenue-is-expected-to-reach-6-5-billion-in-2024

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