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2017-01-04

トヨタがハイブリッド駆動技術(パワートレイン)を他社に公開する理由

トヨタは長年企業秘密としてきたハイブリッドの駆動技術(パワートレイン)を他社に公開し、駆動部分の部品を他社に販売していく計画を発表しました。

これにより、業界全体で排気ガスの排出量の少ないクルマの売り上げが増え、いっそう、排気ガスの少ないクルマにシフトしていくことを期待してのことです。

トヨタのハイブリッドシステム
トヨタのハイブリッドシステム

トヨタは今後もハイブリッド技術の開発に注力するとともに、ハイブリッドカーのエンジン、トランスミッション、その他駆動にかかわる部分を、他自動車メーカーに販売していくとのことです。

これは、環境規制が今後もより強まり、電気自動車の販売台数が拡大することが予想されることに対応した計画です。

最近の自動車はコンピューター化してきて機能は似通っており、自動車メーカーは部品を標準化し、デザインやパッケージで競争するようになってきています。

トヨタの今回の決断は、こうしたトレンドを踏まえたものです。

これまでは、ハイブリッドのような競争力の源泉の技術を秘密にし、秘密を守るためにサプライチェーンを排他的にすることで競争力を保ってきましたが、技術を公開してどの会社もサプライチェーンに参加できるように転換したと言えます。

トヨタに部品を供給してきたサプライヤーは、トヨタの車種だけにしか使えない部品を多く製造してきており、そのために、他の自動車メーカーのために部品を製造できないということもあったのですが、今後はそのようなことはなくなる。と、トヨタの担当役員がコメントしています。

トヨタが車両を開発するときは、自動車部品メーカーの担当技術者も巻き込んで一緒に開発することもあったのですが、そのため、部品メーカーが製造する部品は、他自動車メーカーの車種に合う部品が作れなかったということでもあります。

しかし、今回のトヨタの戦略変更により、部品メーカーはトヨタ以外にも取引先を拡大できることになりました。

秘中の秘ともいえるハイブリッド技術のようなものをトヨタが公開する理由は、自動車会社、そして自動車部品会社の増え続ける研究開発費にあります。

電気自動車や自動運転、コネクテッドカーといった、新しい技術が現在どんどん各国で開発され、研究開発競争が行われていますが、そのため、技術の研究開発費は過去にくらべて急激に増大しています。

そこでトヨタは過去の研究開発で培ったハイブリッド技術を他自動車メーカーに公開、販売してその技術開発にかかった投資金額の回収を早め、そこで得た資金を自動運転や電気自動車への研究開発費に回していくという戦略転換を行うことにしたというのが背景のようです。

これまではハイブリッドカーといえば、プリウスやアクアに見られるように、トヨタの車の燃費性能は他会社のクルマを圧倒していましたが、今後はトヨタのパワートレインを採用した他社製のクルマがどんどんでてくるかもしれませんね。

トヨタのハイブリッドシステムを搭載したBMWが登場するのもそう遠い話でもないのではないでしょうか❓

出典:http://www.reuters.com/article/us-toyota-technology-idUSKBN1442XR

http://www.motortrend.com/news/toyota-wants-open-powertrain-tech-rivals/

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