toggle
2017-01-06

2021年の自動運転車実現に向けて、BMWの開発状況

今年、日産自動車から自動運転機能「プロパイロット」を備えたセレナが発売されましたが、世界中の自動車メーカーが開発競争をしているのが、自動運転車です。

自動車メーカーだけでなく、グーグルやアップルといった大手IT企業も開発に取り組んでいるとされています。

自動運転車の開発への対応は各社まちまちで、例えば、ホンダはグーグルと提携することを発表したように、他社と連携して行う会社もあれば、自社で開発に取り組むところもあります。

今回の記事では、自社開発に取り組んでいるBMWの取り組みについてご紹介します。

BMWが発表した自動運転車のコンセプト動画

今年、BMWは100周年記念イベントを行い、その席上で、2021年までに自動運転車を開発、販売する計画を発表しました。

自動運転車には"iNext"というブランド名をつけ、自動運転機能のついた電気自動車となる予定とのことです。

このプロジェクトの進捗状況について、アメリカの自動車メディアサイトが取材をしています。
出典:http://blog.caranddriver.com/inside-bmws-effort-to-deliver-a-self-driving-machine-for-2021/

BMWの研究開発担当部門の担当役員は、完全自動運転について次のようにコメントしています。
「完全自動運転するクルマを作ることは火星に行くようなものだ。現在は、自動運転車開発の非常に初期の段階にいる。BMWは伝統的な自動車メーカーでやってきたが、最先端技術を扱う会社に生まれ変わろうとしている。」

そして、BMWは自動運転者開発のために、60ペタバイトのデータを処理してきたと述べています。ペタバイトは100万ギガバイトです。そして自動運転の研究のために、5年以内に600から6000ペタバイトのデータ処理が必要となるだろうと予測しています。

自動運転車開発のために、これだけ多くのデータが必要になる理由は、人工知能(AI)の開発のためです。BMWはヒトが運転しているかのような完全自動運転車の完成を目指していると述べています。

自動運転車の人工知能について、多くの自動車メーカーやIT企業が取り組んでいるのは、自動車と交通インフラが相互に通信しあうことで相互に認識し(V2I,Vehicle to Infrastructure)、クルマの自動運転が可能になるというアプローチですが、BMWは,自動車同士の相互作用(V2V、Vehicle to Vehicle)について重点的に研究しています。

その理由は、V2Vの研究をすすめたほうが、自動運転の実現が早くなるというBMWの判断です。

また、完全自動運転を実現するためには、クルマや歩行者を認識するセンサーだけでなく、従来のものよりも詳細かつ動的な地図データが必要になるとBMWは指摘しています。

動的な地図データとは、リアルタイムの交通状況も反映した地図のことで、現在、自動運転用に使えるこのようなデータは存在しない。とBMWの技術担当者はコメントしています。

BMWは同社が目指している完全自動運転車に搭載予定の人工知能(AI)の機能として、道路の歩行者用通路に立っている歩行者の表情を読み取る機能を例として紹介しています。

人間は、運転している時に、歩行者用通路に立っている歩行者の表情や体のしぐさから、そのまま立ったままでいるのか、それとも道路を渡ろうとしているのかを読み取って運転しますが、BMWは同社の人工知能でもこれが実現できるように研究しているとのことです。

これは当然ながら、単なる信号や交通標識を読み取る機能だけでは実現せず、非常に複雑なプロセスを必用とします。BMWは、このような機能の実現のためにすでに3000万マイル走行して蓄積したデータをつかって人工知能を教育しており、来年には、ドイツの都市、ミュンヘンの公道で走行できることを目指しています。

そして、2021年にBMWが実現することを目指している自動運転のレベルは、レベル3、つまり高速道路での走行など一定の条件で完全に自動車に運転を任せることができるクルマです。

現在各国の自動車メーカーが開発している自動運転車のデモ動画を見ていると、自動運転車はまもなく登場してきそうな感覚になります。

しかし、実際にはまだまだ解決すべき問題が非常にたくさんあり、人間は運転のときに多くの判断をしており、そしてそれを人工知能が実現することがいかに難しいかということがわかるエピソードでした。

関連記事