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2016-07-28

レース競技はないけれど。。オリンピックとクルマの深ーい関係

まもなく4年に1回のスポーツの祭典、オリンピックがブラジルのリオデジャネイロで開催されます。

100年以上の歴史をもつオリンピックですが、皆さまご存知のとおり、自動車レース競技はオリンピックでは行われません。

F1をはじめ、自動車レースは世界各国で行われているのですから、オリンピックの競技として採用されてもおかしくないような気もしますし、人間の肉体をつかっているわけではないのでだめなような気もします。

カーレースが五輪競技になる日は?
カーレースが五輪競技になる日は?

オリンピック競技として採用されるための採用基準には、

・男子は4大陸75か国以上、女子は3大陸40か国以上で行われている競技であること
・本質的に動作が機械的な推進力に依存するものは採用されない。

ということになっており、こう見ると自動車のレースのような競技は採用されないようですが、実際には、自動車やモーターサイクルは国際オリンピック委員会(IOC)の承認競技となっています。

ですので、自動車レースが今後オリンピックで採用される可能性がまったくないということもないのです。

現在まで自動車レースがオリンピックで行われていないのは、1番目の採用基準を満たしていないということでしょう。

しかし、自動車は世界各国の主要な産業です。世界的な注目を集めるイベントであるオリンピックですから、自動車業界も非常に強くかかわっています。今回はそれについてご紹介しましょう。

2016リオ・オリンピックの公式車両は日産のSUV

オリンピックは世界中の人々が観戦する国際イベントです。ですので、競技会場に広告が出せればその広告効果は抜群で、グローバルに展開している企業は当然広告を出したいのですが、そのためには、国際オリンピック委員会(IOC)との間でスポンサー契約を結ばなければなりません。

スポンサーの地位にもいろいろとあるのですが、最高ランクのスポンサーが"The Olympic Partner"(TOP)と呼ばれるスポンサーで、TOPになると、全世界で五輪のロゴをつかった宣伝が可能になります。

1業種につき1企業とされており、例えば、2020年の東京オリンピックのTOPには、マクドナルド、コカ・コーラ、サムスン電子、パナソニックなどがなっています。

自動車会社のTOPは、オリンピックの公式車両を提供でき、大会の運営に利用されます。

2012年のロンドンオリンピックではBMWでした。

2012ロンドンオリンピックオフィシャルカーBMWの1シリーズと3シリーズ
2012ロンドンオリンピックオフィシャルカーBMWの1シリーズと3シリーズ
出典 : carmusing.com

まもなく開催される2016年リオデジャネイロオリンピックの自動車業界の公式スポンサーは日産自動車です。

日産自動車の社長、カルロスゴーン氏はブラジル出身です。そのことも関係あるでしょうね。

オリンピックのオフィシャルカーとして、クロスオーバーSUVのKicks(キックス)を提供しています。以前発売していた軽SUVのKIXとは違うクルマです。

KicksはクロスオーバーSUVで、オリンピックの開催にあわせてまずブラジルから発売されます。

その後順次世界各国で販売される予定です。日本で発売されるかどうかはわかっておりません。

車両の大きさは長さ4300mm、幅1800mm、高さ1600mmで、日産のSUV、ジュークより一回り大きいサイズです。

オリンピックの開催にあわせて日産はブラジルに自動車工場を作り、ブラジル国内でキックスは生産されています。

出典:New crossover Nissan Kicks to be the official car of Rio 2016 Olympic and Paralympic Games
http://nissannews.com/en/rio-2016/releases/rio-new-crossover-nissan-kicks-to-be-the-official-car-of-rio-2016-olympic-and-paralympic-games

よく見ないとわからないのですが、聖火リレーの伴走車にもこのキックスは使われています。

そして2020年に開催される東京オリンピックの公式スポンサーはトヨタ自動車です。

トヨタは2000億円とも言われるスポンサー契約料を支払って、公式スポンサーとなりました。

オリンピックは世界中から観戦客が集まり、テレビでも中継されますから、競技だけでなく、開催都市の様子、スタジアムなどの建築物、そして利用されている自動車も注目されます。

企業側としては恰好の宣伝の場となり、トヨタは、オリンピックを活用して開発をすすめている燃料電池車(FCV)を世界中にアピールするのではないか。と言われています。

出典:トヨタ、“2千億円”五輪スポンサー契約に秘めた裏の思惑 税金投入による巨額利益狙いか
http://biz-journal.jp/2015/03/post_9310.html

トヨタの燃料電池車「ミライ」

このように、オリンピックは自動車業界にとっては大きなビジネスチャンスの場でもあり、開催前から開催国に工場を建設したり、宣伝をもくろむ会社が出てくるのですが、今回のリオオリンピックでは日産自動車の他にも商機ととらえた企業がありました。

中国の電気自動車メーカーBYDです。

BYDはオリンピックが開催される1年前である2015年に、ブラジルにソーラーパネルやバッテリー、そして電気自動車の建設工場を新設することを決定しています。

リオデジャネイロオリンピックのテーマは、「エコフレンドリー」ですが、BYDは同社の環境技術がこれに貢献できると考えてブラジルに投資することを決定しました。

ブラジルは人口も多く、BRICSの一角として新興国では成長余力の高い国とみられていますが、一方で、大気汚染や交通網が未成熟といった問題もかかえています。

日本も中国もそうでしたが、オリンピック後に経済は急速に発展してきました。ブラジルの発展を見据えて、BYDは進出したということです。

BYD to contribute to green Rio Olympics
http://www.chinadaily.com.cn/business/motoring/2015-05/25/content_20813464.htm

オリンピックを間近に控えたリオで流行しているクルマは❓

さて、まもなくオリンピックの開催を控え、特に今回のオリンピックは南アメリカ初という歴史的な大会でもあります。さぞ、現地は盛り上がっていることだろうと思うのですが、

ブラジルはオリンピック開催が決定する前後までは経済も非常に好調だったのですが、最近の資源価格安や新興国経済の不振のため、資源輸出国であるブラジルは現在、大不況の中にあります。

政治も汚職問題が発覚しており、現在の大統領、ルセフ氏は実質的に機能していません。

景気が非常に悪く、政治不信まで起きているブラジルでは治安も非常に悪化しています。

大統領退陣をもとめて300万人が参加したというデモの様子

オリンピックに参加する選手たちも、ゴルフの選手は治安悪化を懸念して棄権する選手が多いですし、選手村への入居を拒否する国も出てきています。

また、最近世界でテロを引き起こしているISISの関係者とみられる集団も、開催地のリオデジャネイロで警察に検挙されています。

出典:Police arrest last jihadi of 'amateurish' Brazilian ISIS cell who were going to 'train in martial arts' before carrying out attacks at the Rio Olympics
http://www.dailymail.co.uk/news/article-3706870/Police-arrest-jihadi-amateurish-Brazilian-ISIS-cell-going-train-martial-arts-carrying-attacks-Rio-Olympics.html#ixzz4FawxgQ9w

こうした状況の中で、現在リオデジャネイロで利用が急増しているのは、防弾仕様のクルマのレンタカーだとのことです。

オリンピックはいうまでもなく多くの人があつまり、それだけ危険も高まります。そこでこのような車が流行っているとのことです。

この記事をお読みいただいている方の中には、現地リオデジャネイロでオリンピックを観戦するという方もいるかもしれません。

くれぐれもお気をつけてお楽しみください。

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